コラム:台湾を揺るがす親中派・鴻海会長の総統選出馬 – ロイター
鴻海(ホンハイ)精密工業(2317.TW)の郭台銘(テリー・ゴウ)会長は、台湾総統になりたいと考えている。そのような観測は以前から高まっていたが、海の女神「媽祖(まそ)」のお告げが最後の一押しとなり、2020年1月の総統選に出馬する意思を表明した。
郭氏の中国とのつながり、とりわけ、台湾と米国、中国の微妙な関係はそれ以上に不安材料だ。
米アップル(AAPL.O)が自社のスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」生産を委託する鴻海を率いる郭氏は長い間、台湾総統選に出馬するだろうとみられていた。
貿易保護主義で、労働者寄りの政策は海外からの投資を停滞させた。しかし、親中路線を掲げる最大野党・国民党から出馬する予定の郭会長のような資本家は、安い賃金を求めて中国本土に生産委託するため、ほとんど助けにはならない。
外交政策の転換も検討する必要がある。中国本土で大規模にビジネスを展開していることを考えれば、郭会長には中国当局者と太いパイプがあると思われる。また同氏は、台湾が武器をあまり大量に購入すべきとは思わないと発言している。台湾について、反逆する自国の一部とみなす中国当局者は同氏のこうした発言を歓迎しているに違いない。
一方台湾の蔡英文(ツァイインウェン)総統は30日までに、戦闘機「F16」の新型機と戦車「M1」の新たな購入を米国政府に要請したことを明らかにした。
総統はこれら兵器は台湾の領土防衛能力と対空能力を大幅に高め、軍の士気を強めて、世界に対し台湾防衛に対する米国の決意を示せると強調した。
また、中国による台湾の社会や経済に浸透を図る試みや内政問題への干渉には積極的に対抗すると強気の主張を展開。「中国のこれらの行動は台湾が自衛能力や抑止力を向上させる必要性を明白にしている」と説いた。
中台統一を警戒し独立志向もある与党民進党の蔡政権が発足以降、中台関係はきしんでいる。この中で中国の習近平(シーチンピン)国家主席は今年1月、台湾に触れ香港に似た「一国二制度」を導入しての統一に言及していた。蔡氏は最近、これに賛同しない考えを示していた。
情報源: コラム:台湾を揺るがす親中派・鴻海会長の総統選出馬 – ロイター
https://www.cnn.co.jp/world/35135000.html
2019.04.20更新